20.かわいくは、ない

2012年9月
マシュー、生まれて初めてのトリミング。
実家に預けている間にトリミングをお願いしていた。
期待はしていなかったけど、
仕事中にiPhoneに届いた写真にはブッタマゲタ！！
あまりの衝撃にたまらなくなって、
たまたま同じ現場に居合わせていた
カキさんにこっそり見せて2人で腹を抱えて笑った。

以前にも書いたかもしれないが、我が家にやってきた頃のマシューは、
ビションフリーゼの片鱗も見せない、かなりの不細工な面だった。
私には長年温めていたビションフリーゼへの憧れがあった。
そのため、白状すると、マシューと出会ってから1か月ほどは、
色々と諦めがつかなかった。

キラキラしたビションフリーゼを夢見ていた私の目の前には、
あまりに純朴な、そう、無印良品的な、生成り、みたいなマシュー。
（なんて素晴らしい表現☆）
葛藤だ。

ほどなくして、そんな葛藤も忘れ、
マシューに生活も精神も侵食されて、
今ではすっかり、胸を張って「おまえ、おもしろい面してんな」と
言えるようになった！

が、しかし、私がマシューを「ブサイク、ぷぷ」とか「へんなかお」とか言うと、
いちいちヨシオが私を非難するのであった。

ヒサンもムキになった。
ふだんはしゃべらないカキさんまで強めの口調だ。

私が言っているのは、あくまでビジュアルだけの話なのに。
みんな何をそんなに怒るんだろう、と思っていた。

なのに、である。
こんなことがあった。

キラッキラで、ふわっふわ、
純白お目目クリックりでうるっうる、な
ビションフリーゼの仔犬に出会ったときのこと。

束の間、マシューがそこにいることを忘れ去られていた。

・・・・ほらね、
と思いながら。