2013年4月7日日曜日

24.マシュー以前―妖怪めぐり(1)

あれはもう6年も前になるだろうか。
残業時間超過のため、急に休みを取れと言われ、
ずっと温めていた旅行計画を遂行したのであった。
ちょうどスケジュールが空いていたヨシオも一緒に行くことになった。

10代の頃より傾倒していた柳田國男先生の著書を片手に、
あまりに有名すぎる遠野へ出かけたのだ。
8月初旬のクソ暑い中、電車に揺られて河童伝説を巡る旅へ。

結論からいうと、河童には会えなかった。
とうか、私のシックスセンスでは河童はここにはいねぇな、と、
結構早い段階で捜索はやめにした。


せっかくきたので、諸説ある姥捨て山伝説の地“デンデラ野”を見に。
悲観することもなく、きっと楽しく余生を過ごしていたんだな、
と私のシックスセンス。


そして全国各地に今でも残る男根崇拝。
遠野の男根の神様もめぐってきた。

そこでの出来事。
これは6年経った今でも忘れられない、
ヨシオの本質を垣間見た瞬間。



ヨシオがなにか情けないことをしでかすと、
今でもこの時のことを思い出す。
ううむ。
ヨシオよ、男になれ!



遠野では河童にこそ出会えなかったが、
この翌日か翌々日、
我々はあるものに出会うことができたのだ。

それはまた続きで・・


余談だが、昨年NHKで柳田國男の歩いた東北を、
重松清が辿る企画があった。
妻を明治の津波でなくした男の話から、東北の復興や土着信仰と絡めながら、
柳田國男と小川信夫の死生観を探っていく内容、
これがとても良かった。
良かったのだが、真面目な話になるから、
まぁ、ここではいいか。




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