体力旺盛なマシューの散歩につきあい切れないときがあったり、
そもそも、散歩自体サボってしまえと、
チラと脳裏をかすめることも多くあるわけだが、
マシューはアスリート並にスーパー体力の持ち主。
希望を聞いたら、「ドッグランで2時間は走らせろ」というに違いない。
毎日2時間走らせるわけにはいかないので、
これまでは、朝の散歩はヨシオ、夜の散歩が私、という役割分担で、
1日の屋外での運動時間を2時間目標としてあった。
しかし3月よりヨシオがあんかけスパゲティの街へ赴任となったため、
朝の散歩ももちろん、動くのが大嫌いな私が行う羽目となった。
(小さい声で)めんどくせ・・、と言ったか言わなかったかわからないが、
ヒサンからこんな提案があった。
「マルモっさんは、朝、カキさんちまでマシューを連れてきて、
カキさんの淹れたコーヒーでも飲んでればいいよ。
お散歩はヒサンにまかせて♪」
カキさんちまで徒歩3分。それはなんて素晴らしい提案!
とつい乗ってしまいそうではあったが、
親しき仲にも礼儀あり、私はとても常識的な人間だ。
ひとまず笑って流した。
にしても恐るべしヒサン、マシューの溺愛っぷりがハンパない。
そんなヒサンの彼氏さんがカキさんである。
カキさんと私は暗い学生時代をともに過ごしたような、
そうでもないような、つきあいは意外と長い。
絵を描く以外のことがあまりできない。
炊事洗濯掃除といった、家事に関することは全般的に能力がない。
ヒサンはカキさんにおいしいエサ、いやゴハンを与えられ、
カキさんのお掃除したきれいな住まいに居候を決め込んで、
ぬくぬくぬくぬくしている。
カキさんはとても穏やかな人で、
陸ガメ3匹、なんとかガエル2匹とメダカを飼育し、
心が乱れたら庭の手入れをし、
こうるさい騒音(ヒサン)をシャットアウトする術も身に着けつつある。(上級者!)
マシューを孫のようだと目を細めるカキさん。
ヒサンだけでなく、マシューまでをも虜にする。
面倒な輩にモテモテの牧歌的な男である。
そんなカキさんの将来の夢をつい最近知ってしまった。
柴犬と2人、縁側とお庭のある小さなお家で、穏やかな日々を過ごすことだそう。
ちょっと胸が痛くなった…。
ガンバレカキサン。
ヒサンとカキさんは、
マシューのゴッドペアレントのような存在。
私はそんな2人に支えられながら、
東京の鮫が泳ぐ街でマシューを育てている。マシューは2人が大好き。
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